がんの予防
日本人の1/2が生涯で「がん」を発症し、1/3が「がん」で命を落とします。
がんの死亡数と罹患数は人口の高齢化に伴い増加してきています。
最近では、疫学研究が進み、がんの発生を減らす生活習慣が分かってきました。
日本人のがん発生年齢は、乳がんや子宮頸がんなどを除くと、概ね60代以降に多くなります。しかし、がんが見つかるくらい大きくなるには、約10年程度かかるとも言われ、大雑把に言えば、「がんが多い年齢」より10年早くから、予防に取り組む必要があります。
欧米の研究では、遺伝性のがんは全体の5%で、タバコ(3割)、成人期の食生活や肥満(3割)、職業(5%)、飲酒(3%)、感染症(5%)と後天的な要素によるがんが多いとされています。もちろん、日本人と欧米人では異なると思いますが、がんの多くは生活習慣を改善することで発生頻度を抑えられると考えられています。
がんの予防で大切なことは、
①禁煙:タバコは、ほぼ全ての臓器への発がん性が認められています。
受動喫煙も発がんの原因となります
喫煙開始が若年、喫煙期間が長い、本数が多いほど危険度が高い
②職業、環境汚染:ヒ素、放射線、ダイオキシンが原因となります
③食事、運動
がんの発生を確実に上げるもの
喫煙、過度の飲酒、肥満(女性)
ほぼ確実にがんの発生を上げるもの
塩分、肥満(男性)、糖尿病、熱い飲食物
ほぼ確実にがんのリスクを下げるもの
野菜、果物、適度なコーヒー、緑茶、運動、授乳
④では、健康食品は?
残念ながら、科学的に「がん」の発生を予防したり、「がん」を小さくしたりすることが証明された健康食品はありません。
しかし、証明されてないもの=効果がない、とも言えません。
健康食品に頼りすぎたり、お金をかけすぎるのは、理性的とは言えません。たとえば、以前はベータカロテンが肺がんの予防に良いと言われて研究が進められましたが、大規模な試験で、逆にベータカロテンを摂っている方に肺がんが多く発生しました。
がんの早期発見(がん検診)
☆☆検診をうけることで死亡率を下げるもの
便潜血検査(大腸がん)→ 1回でも陽性なら大腸がんの検査を
(しかし、がんが見つかるのは5%以下)
(早期大腸がんの半分は便に血が混じらないので注意)
マンモグラフィー(乳がん)→ 陽性なら乳がんの追加検査を
本当に乳がんが見つかる人は検診陽性者
のなかの3%程度です。
また、早期がんなら9割以上の人が治癒します
☆ 検診をうけることで死亡率を下げられる可能性のあるもの
PSA(前立腺がん)→PSAが高い時は泌尿器科を受診しましょう
4ng/ml以上では前立腺がんの可能性があり(グレーゾーン)
10ng/ml以上ではがんの疑いが強くなります
胃のバリウム検査→ 異常があれば消化器科を受診しましょう
肺のレントゲン→早期がんはCTの方が発見しやすいですが、
被ばくによる発がんが問題です
PET検診
一度の検査で苦痛なく全身のがんを検査できます。
ただし、苦手な部位もあり、値段が高いのが難点です。
→ ピロリ菌が陽性の人
胃潰瘍を繰り返す人
は胃の検査を行い、ピロリ菌の除菌を行いましょう
→ ウィルスの陽性者は治療によって「がん」のリスクを減らすことができます
また、定期的な検査を行うことで「肝臓がん」を早期に見つけられます
→ 性行為感染症です
今はワクチンを接種することで「がん」の発生を予防できます
→ 塩分の取りすぎに注意しましょう
→ 野菜は毎食
果物は一日一回 摂るようにしましょう
→ 肉類の摂りすぎに注意しましょう
→ 冷ましてから食べるようにしましょう