肺や気道が、正常に働いているにも関わらず、空気の飢餓感が出現し、早く浅い呼吸を繰り返す状態です
もともと人間は、意識しなくても血液の酸素の濃度を一定にする働きをもっています。これを呼吸調節中枢と言います。正常でも、体を動かしたり、長く息をとめたり、お酒を飲むと、体の酸素が減ったり、二酸化炭素が増えたりするので、本人が意識しなくても、呼吸調節中枢によって呼吸を速くしたり、大きな呼吸をしたり、します。
呼吸調節中枢は心理的影響も受けやすいことが分かっています。
疲労、心理的不安、不眠、神経バランスの変調があると、呼吸調節中枢のバランスが乱れてしまい、本来十分足りているはずの酸素が足りないと誤認識されてしまい呼吸が早くなってしまいます
呼吸を速くしても、血液の酸素の量は増えません。なのでいつまでたっても、呼吸が不十分である感覚が続いてしまい、呼吸を整えることができません
酸素は増えませんが、呼吸から出される二酸化炭素が増えて、血液の二酸化炭素は激減してしまいます。二酸化炭素の低下は、手足のしびれ、手の筋肉の過緊張(手がチョキみたいになる)、めまい、一時的な意識低下などを引き起こし、患者さんはさらに不安感を募らせ、呼吸がさらに早くなります
過呼吸がおさまれば、これらの症状はなくなります
若い悩みの多い女性に多いのですが、男、中高年にも増えてきています
ゆっくりとした呼吸をさせる(する)ことが大切ですが、本人はパニックになっているので、周りの人が落ち着いて対応することが大切です。(そもそも、浅い速い呼吸は、肺のスミズミまで酸素が行き届かないため、呼吸としては無駄が多い不適切な方法です)
ペーパーバッグ法には賛否があります
(他の病気でペーパーバックをすると事態を悪化しかねないこと、ペーパーバックでも酸素が不足して低酸素になってしまう危険性がある)
少なくとも、初めての発作であれば、ペーパーバッグに頼らずに医療機関を受診した方が良いでしょう
発作が落ち着けば、その日のうちに日常生活に戻れます
β遮断薬(高血圧などの治療で使われる)が発作の予防に有効との報告もあります
他に病気がない、若い方であれば、命の危険のない病気です