健康寿命

 

 

A子さん:最近、「健康寿命」っていう言葉を聞くことがありますけど、何のことですか?

B先生:そうですね、健康に興味がある方であれば、一度は「健康寿命」の名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。ところで、日本人の平均寿命は知っていますか?

A子さん:たしか、男性で80歳、女性では85歳を越しているって聞きました。

B先生:そうです。日本人の平均寿命は世界でもトップレベルです。でも、長生している人のなかには、医学の力で延命はできているけど寝たきりのまま入院生活を続ける人も含まれます。せっかく長生きするのだったら、健康で自立した生活を送りたいですよねぇ。

 

A子さん:それはそうです。できるだけ人の迷惑にならずに、健康で過ごしたいです。

B先生:これまで社会を支えてきた高齢者の方が、介護をためらう必要はありませんができれば健康で過ごしたいと思う人がほとんどだと思います。それで、自立して健康的に生活できる寿命のことを「健康寿命」と呼ぶようになりました。

 

A子さん:それでは日本人の健康寿命ってどれくらいなんですか?

B先生:日本人の健康寿命の平均は男で70歳、女で74歳です。

A子さん:えーっ!それでは、今の日本では自立して生活できない介護期間が10年近くもあるってことですか!

B先生:そうです。やはり、長く感じますよね。そこで、寿命を延ばすのも良いのですが、これからは健康寿命も伸ばして行こうって言う運動が進められているんです。

 

A子さん:それで、どうしたら健康寿命って伸ばせるんですか?

B先生:健康寿命をのばすためには、介護の原因になる病気を知らなければなりません。健康寿命を決める病気を御存知ですか?

A子さん:それは、①がん②心臓病③肺炎とかじゃないですか?

B先生:それらの病気は、日本人の死因としては大きな比重をしめるのですが、健康寿命は違います。たとえば、言葉は悪いですが「がんは治るなら治るけど、治らない時は長生きできない」ので、介護の原因にはなりにくいのです。

 

A子さん:それでは、どういう病気が健康寿命に関係あるんですか?

B先生:今の日本で多い原因は、①脳卒中②関節や骨の問題③認知症、などです。

A子さん:なるほど、そういえば、脳卒中や足の骨折を契機にして寝たきりになる、って良く聞きますねぇ、、、。

 

B先生:最近では「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」の合言葉をもとに、整形外科の先生を中心にして、「関節の障害を予防したり、転倒を防ぐ」ための、運動が推進されています。女性のかたは女性ホルモンが減ると骨粗しょう症になりやすいので、骨折のリスクが高い人は骨を鍛える薬を飲むこともあります。

 

A子さん:脳卒中はどうしたら予防できますか?

B先生:なるべく血管を若々しく保つことが大切です。そのためには、高血圧、高脂血症、糖尿病などを、早くから治療することが不可欠です。つまり、高血圧や高脂血症、糖尿病、「メタボ」の治療目的は、血管を若々しく保ち将来の脳卒中や心臓病を防ぐことなんです。

A子さん:ということは、よく耳にする「メタボ(メタボリックシンドローム)」や「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」は健康寿命をのばすための「健康活動」なんですね。良く分かりました。

 

 

B先生:認知症については別のページで説明しているのでご覧ください。