ぜんそく(喘息)

日本人で、「ぜんそく」の名前を知らない人はいないでしょう

朝方に、ゼーゼー(ヒューヒュー)喘鳴のある呼吸困難をおこすのが特徴です(もちろん、昼に発症する人や運動が原因で起こる人、喘鳴はなくて咳が主症状の方もいます)

 

初めは、アレルギーなどが原因となり、

アレルゲン(ハウスダスト、ダニ、ペットの毛、花粉、、、)を吸い込んだ際に気道が狭くなって起こりますが、そのうち気道が刺激に敏感になってしまい、

アレルゲンがなくても気道の狭窄がおこるようになります。運動、寒冷刺激、タバコの煙、精神的要因でも発作が起こります

 

小児ぜんそくは、

小児全体の5-7%(1クラスに2人程度)であり、増加傾向と考えられています(父親、母親の喫煙は子供の喘息の発症リスク因子です)

 

小児ぜんそくの7割は大人になる前に緩解します

(治療をしなくても発作が出なくなる)

 

また、大人になってから発症する喘息(ぜんそく)も決して少なくなく、小児ぜんそくからの移行者も含めて、約2-4%の成人が喘息に罹患していると考えられています。小児の喘息と違い、成人喘息での緩解率は10%程度と言われており、長期間の治療が必要となる場合も少なくありません。

 

大人の喘息の発症は、30代、40代、50代が20%弱で同程度であり、7割の人に何らかのアレルギーが関与しています

 

日本人では、治療の進歩によって喘息による死亡者は低下していますが、それでも年間3000人弱が喘息で命をおとします。適切な治療をうけることが大切です

 

<治療>

以前は、喘息は発作時を無事にのりきれば、気道の狭窄が元にもどると考えられてきました。そのため、発作時の吸入のみの治療をうけることが少なくありませんでした。

しかし、現在の考え方では、

 ①発作時の治療

 ②発作を起こさないようにする治療 が重視されています

(気道に刺激があるので発作が生じるのであって、発作を吸入薬で抑えても、刺激物による炎症が続くと徐々に気道の狭窄が元に戻らなくなってしまう)

 

治療の詳細は、ガイドライン(日本アレルギー学会発行)などに書かれています

 

症状が週に1回以上あれば、ステロイド吸入などの予防治療が有効です。それでもコントロールが不良であれば、薬を足して行きます

通常、発作がなくても3ヶ月は治療を続ける必要があります

 

喘息の発作が治まらない時(急性増悪時)は

①話ができる程度であれば、

  発作用の吸入薬を使用(予防用の吸入は無効)

  発作用の飲み薬を内服

 することで症状が治まれば、自宅安静可能

②横になると苦しい場合や歩行・会話が困難な場合は

  発作用の吸入薬を吸入し、医療機関を受診しましょう

 

①の状態でも、自分でコントロールできる自信がなければ、早めに医療機関を受診しましょう。受診するのに、遠慮している場合ではありません